土環舎を一言でいえば“土モノ”のギャラリーとなるだろうか。“土モノ”は一般的に陶器を指すが、ここでは土から生まれる暮らしの道具や製品、食べ物、さらには土の成分や土壌菌まで広く“土モノ”と捉え、生命に不可欠な土を考える活動の一環としてギャラリー展示を行う(令和3年4月29日オープン)。建物は江戸時代に造られた土蔵。今では珍しい小曽原産の越前赤瓦を葺いた屋根、笏谷石の土台縁、漆喰壁、藁(わら)と土でできた粗壁(あらかべ)など、その風情もできる限り残している。展示は越前焼をはじめ、絵画・工芸などのセレクト品や古布を使った作品、定期的な企画展で構成。「きこりの店 きんとき」や「田んぼの天使」、「越前まこも会」の製品など、小曽原の山林や田畑から届く天然の恵みも紹介する(販売可能)。土環舎には、こうした土生土帰の物たちとの対話を楽しみながら、循環再生の揺かごである土を通じ、人それぞれに感じ見えてくるものがあれば、というオーナーの思いが込められている。
オーナー:千葉亮 プロフィール 越前市出身。映像の構成・台本や印刷物等の企画・執筆に従事。[映像]...福井県立恐竜博物館「石に なった木珪化木の不思議」(文部科学大臣賞)他/県立歴史博物館「越前赤瓦」「越前焼」他/県内博物館・公共施設等 [印刷物]...県「水月湖の年縞」「福井の地酒」「泰澄」他/『小説白山平泉寺 白の聖都』 執筆(歴史浪漫文学賞創作部門優秀賞)/県教育委員会「福井の先人100人」執筆他
越前町小曽原 36-12