ジブリ風土環舎
「土生土帰」のつくり人 小曽原(おぞわら)「土生土帰(どしょうどき)」図鑑
光窯 陶芸作家 司辻光男さん、健司さん
陶芸作家 土本訓寛さん、土本久美子さん
ギャラリー・アトリエ「夕想庵」 モダン刺し子作家 五島万里代さん
design labo chica(デザインラボチカ) ツジマミさん
春鳴舎 越前工房 神龍画家 緋呂さん
十割蕎麦 だいこん舎 南 和孝さん
越前まこも会 会長 司辻 校一さん
株式会社 田んぼの天使 代表取締役 井上高宏さん
土環舎(とわや) 千葉亮さん
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知恵と技ではあらがえない自然の妙に心を掻き立てる魅力がある
光窯陶芸作家 司辻光男さん、健司さん
光男さんが陶芸の世界に飛び込んだのは、昭和の中頃。小曽原で越前焼の日常雑器をつくる陶工が一人もいない衰退期とも言える時代だった。ふと手に取った日展の作品集で陶芸に魅了され、高校2年で陶工の道に入った。地元で三代続く豆腐屋の跡取りの大転身だった。以来、60年近く陶芸の道を歩み続け、その原点となった日展の特別会員と審査員、厚生労働省の「現代の名工」や黄綬褒章の栄を受けている。自身について「日常雑器の職人と、芸術性を希求する作家との二足のわらじ」という光男さん。「六古窯の焼き物は、焼締めの土肌が出るゆえに、作り手の技や思いがそこに出る。職人としての技術は大前提となるのものであり、その上で気候が365日違うのと同様に、気温、湿度、土、炎といった人の知恵や技では到底あらがえない自然の妙がつくり上げる。そこが魅力であると同時に、どれだけやっても満足というものがない世界」と話す。
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home 越前町小曽原 20-5
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薪窯の面白さに魅せられて
陶芸作家 土本 訓寛さん 土本久美子さん
訓寛さんと久美子さんは、現代では希少となった薪窯による作陶に取り組む若手作家のご夫婦。越前焼古来の焼き締めや釉物、象嵌(ぞうがん)技法による作品づくりを手がけている。ガス窯や電気窯が主流の現代に、あえて薪窯を使うことについて、「合理性に合わないところに面白みがある気がして」と訓寛さん。また、作陶のために移住した小曽原について「必要な素材や環境に恵まれている」と話す。昨今、越前焼の風合いが注目されるなか、土本夫妻の作品は東京など都市部での作品展開催のオファーも多く、古越前を土台にした若手作家として期待が寄せられている。
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home 越前町小曽原 111-15
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一本の針と糸で布に描く手技の美
ギャラリー・アトリエ「夕想庵」 モダン刺し子作家 五島万里代さん
一本の針と糸で布に描く手技の美「刺し子」は、古くから女性の手から手へと伝えられた技術であり、物を大切にする日本人の暮らしに培われた文化でもある。万里代さんと刺し子との出会いは、江戸時代から明治時代にかけ日本海で交易していた「北前船」の中で仕事着として着られていた「刺し子さっくり」に魅せられた時から始まった。素晴らしい文化を蘇らせたい思いに駆られ、日本の伝統文様を継承しながら、独自のデザインと共に「モダン刺し子」の世界をつくり出してきた。1980年「ふくいモダン刺し子・麻の葉会」を設立。小曽原にあるギャラリーを兼ねたアトリエ「夕想庵」を拠点に、各地で教室を開催し、 技術の継承・普及と作品製作に力を注いでいる。また、福井県内をはじめ東京や京都などで作品展を開催し、「ふくいの刺し子」を広く紹介。万里代さんが新たな息吹を与えた「モダン刺し子」の世界が多くの人を魅了している。著書:「刺し子図案集」「北前船の刺し子・さっくり写真集」
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home 越前町小曽原 110-114
ギャラリー見学は1週間前までに電話で相談を。
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インドの村に似た空気感と手仕事の長い歴史を持つ小曽原で
陶芸作家 土本 訓寛さん 土本久美子さん
design labo chicaは、ウッドブロック(木製のハンコ)を使ったインド手染布を手がけるツジマミさんのショールーム。越前焼という手仕事の歴史を持つ小曽原の空気感が気に入り、陶房だった建物を改装して2018年にオープンした。素朴な土壁が出迎える室内に入ると、様々な模様の手染布や洋服、布製雑貨の織りなす世界が広がる。 マミさんと手染布の出会いは、インドの村を旅した際、そこに息づく暮らし方や伝統的な手仕事に魅了されたことに始まる。その後、インドで信頼できる工房を探し、2013年、自身のデザインと村の人々の手仕事によるブランド「Mula:working cloth」を立ち上げた。そこには手仕事の布や物を通じ、インドの人々の地面に近い暮らしや、人間らしい感覚を日本に届けたいという思いが込められている。
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home 越前町小曽原 54-43-11

営業日/土曜日(平日予約制) 10:00~16:00

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描くテーマは、天上界と交信し開運をもたらす龍
春鳴舎 越前工房 神龍画家 緋呂さん
大きく見開いた目が魔物を睨みつけ、邪気を払い開運をもたらす龍。緋呂さんが描くのは、そうした天界と人間界の間を繋ぐ使者の姿。築160年ほどを経た古民家のアトリエには、不思議なまでに清浄感が漂い、異界からの霊示を放つかのような作品が置かれている。緋呂さんは、2010年頃から天使を描き始め、その後、日本の神々や龍、仏を描くようになった。「とくに神龍画は強いエネルギーを感じる」と緋呂さん。その作品は、神気が宿る開運の守護龍としての制作依頼が多い。また近年は、ベトナムで開催された文化交流イベントをはじめ、参加の要請を受けて龍をライブで描く活動も行っている。緋呂さんが出身地の愛知県から小曽原に創作拠点を移したのは2020年のこと。様々な縁が繋がっての移住だったというが、計らずして近くの山には龍神伝説があり、さらに小曽原は盆地特有の霧が多い。まさに龍が天と地を行き交う背景をもつ小曽原は、緋呂さんが神龍画を描くのに相応しい地と言えるかもしれない。
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home 越前町小曽原 112-4-1
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※工房の見学・訪問は事前に相談を

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無農薬で自然栽培されたそば粉を挽きたて打ちたての新鮮な味わいに
十割蕎麦 だいこん舎 南 和孝さん
使用するそば粉は、無農薬で大切に育てられた福井県産玄そば。その持ち味を最大限に生かすために、毎日、その日の分量だけを自家で挽き、つなぎを一切使わない十割蕎麦で提供している。お品書きは、福井のソウルフードとも言える大根おろしの蕎麦だけでも5種類。さらに、くるみ蕎麦や蕎麦掻きほか、バラエティー豊富に十割蕎麦ならではの味わいが楽しめる。また、隣の古民家にある座敷は、集会などに使うこともでき(要予約・夜の利用可)、コンサートや語らいの場にもなっている。
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home 越前町小曽原 120-3-20

営業日/平日 11:00-15:00、土日祝 11:00-17:00

定休日/月曜(祝日の場合は翌日)、臨時休業あり

※蕎麦が売り切れ次第閉店(予約可)

※昼夜ともに蕎麦のコース料理にも対応(5名以上・要予約)

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低カロリーで高い栄養価まこもは神様からの贈り物
越前まこも会 会長 司辻 校一さん
まこもは、黒穂菌により肥大した部分(マコモダケ)を持つイネ科の植物。中国などアジア諸国で食用や薬用として栽培され、また、日本では古来、葉を締め縄や神事に使用している。司辻さんは、休耕田を活かし自然環境を保全する農業として、無農薬のまこも栽培に 20年近く前から力を注いできた第一人者。当初はたった一人で試行錯誤からのスタートだったが、現在は18名ほどの会員が栽培を行う。旬の9月下旬から11月初旬には「越前まこも」のブランドで出荷され、都市部のレストランからの注文も増えている。味はタケノコに似た風味と、ほのかな甘味が特徴。和洋中どの料理にも合い、しかも低カロリーで食物繊維が豊富なことから、ダイエット効果も期待ができる。また、司辻さんが開発した「まこもパウダー」は、栄養豊富な葉を粉にしたもので、飲用はもちろんのこと、料理やお菓子に入れて手軽に栄養を摂ることができると、ネット通販でも人気商品となっている。
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home 越前町小曽原 106-9-1
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※マコモダケは9月下旬から11月初旬。パウダーは通年販売。

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安心と美味しさの秘訣は、田んぼの有用菌の力
株式会社田んぼの天使 代表取締役 井上高宏さん
「田んぼの天使」は、自然の生態系を呼び戻し、次世代の子供たちに安全安心なお米を届けたいという想いを込めて平成4年に発足。小曽原など旧宮崎村を中心に農薬や化学肥料を使用しない米づくりを行っている。「田んぼの天使」が手がける田は、越前焼に使われてきた鉄分などのミネラル豊富な土と、中山間地の冷たい山清水など、味の良い米づくりの好適条件が揃う。さらに、地力を上げ環境浄化力も併せ持つ手づくりのEMボカシやEM活性液を投入している。そうした発酵菌の力を活かした土づくりから周辺の除草作業まで、手間をかけ心を尽くしてつくる米「田んぼの天使」は、爽やかな甘味と素朴な食感が特徴で、全国からとても美味しい米との高い評価を得ている。
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home 越前町江波 86-27
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土に生まれ土に帰る物との対話から
土環舎(とわや) 千葉 亮さん
土環舎を一言でいえば“土モノ”のギャラリーとなるだろうか。“土モノ”は一般的に陶器を指すが、ここでは土から生まれる暮らしの道具や製品、食べ物、さらには土の成分や土壌菌まで広く“土モノ”と捉え、生命に不可欠な土を考える活動の一環としてギャラリー展示を行う(令和3年4月29日オープン)。建物は江戸時代に造られた土蔵。今では珍しい小曽原産の越前赤瓦を葺いた屋根、笏谷石の土台縁、漆喰壁、藁(わら)と土でできた粗壁(あらかべ)など、その風情もできる限り残している。展示は越前焼をはじめ、絵画・工芸などのセレクト品や古布を使った作品、定期的な企画展で構成。「きこりの店 きんとき」や「田んぼの天使」、「越前まこも会」の製品など、小曽原の山林や田畑から届く天然の恵みも紹介する(販売可能)。土環舎には、こうした土生土帰の物たちとの対話を楽しみながら、循環再生の揺かごである土を通じ、人それぞれに感じ見えてくるものがあれば、というオーナーの思いが込められている。

オーナー:千葉亮 プロフィール 越前市出身。映像の構成・台本や印刷物等の企画・執筆に従事。[映像]...福井県立恐竜博物館「石に なった木珪化木の不思議」(文部科学大臣賞)他/県立歴史博物館「越前赤瓦」「越前焼」他/県内博物館・公共施設等 [印刷物]...県「水月湖の年縞」「福井の地酒」「泰澄」他/『小説白山平泉寺 白の聖都』 執筆(歴史浪漫文学賞創作部門優秀賞)/県教育委員会「福井の先人100人」執筆他
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home 越前町小曽原 36-12

営業日/土・日曜日 10:00〜16:30 平日は予約のみ

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